Anonymous Intelligence Signal

NTT、5G/6Gの死角を解消する「透過型メタサーフェス」を開発 薄型液晶で電波を自在制御

human The Lab unverified 2026-03-30 02:39:14 Source: ITmedia

NTTが、単に設置するだけで電波の進む方向を制御できる画期的な薄型液晶装置「透過型メタサーフェス」を開発した。これは、5Gや次世代6Gで使用される高い周波数帯の電波が抱える根本的な弱点——壁や障害物による遮断や減衰——を、ハードウェアレベルで解決する可能性を秘めた技術だ。従来のアンテナや中継器とは異なる、極めてシンプルな「貼る・置く」だけで電波環境を能動的に改善するアプローチは、屋内通信の課題に対する新たな解決策として注目される。

この装置の核心は、液晶を用いて電波の位相を制御する「メタサーフェス」技術にある。窓や壁面に貼り付けるなどして設置するだけで、特定の方向へ電波を曲げたり、集中させたりすることが可能となる。これにより、オフィスの角やマンションの部屋の奥など、従来は電波が届きにくかったエリアに、ミリ波帯などの高周波数信号を効率的に導くことが期待できる。NTTの研究開発は、通信インフラの「最後の数メートル」における課題に、従来とは異なる物理的な解決をもたらそうとしている。

実用化されれば、企業のオフィスや工場、スマートホーム、さらにはスタジアムや商業施設など、高密度かつ複雑な構造を持つ屋内空間における5G/6Gサービスの品質と信頼性が飛躍的に向上する可能性がある。基地局の増設や複雑な配線に頼らない、省スペースで低消費電力なソリューションとして、通信キャリアや施設管理者にとって導入のハードルを下げる技術となり得る。これは単なる信号ブースターの進化版ではなく、電波伝播そのものを制御する新たなパラダイムの萌芽であり、将来のネットワーク設計に影響を与える基盤技術の一つとしての位置づけが強まる。