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SEC、仮想通貨訴訟7件を正式取り下げ 「執行による規制」から詐欺・操作対策へ方針転換
米証券取引委員会(SEC)が、仮想通貨業界に対する規制アプローチを根本から転換させた。ポール・アトキンス委員長は、前執行部が推進してきた「執行による規制」を公式に終了し、新たな執行方針として詐欺、市場操作、投資家保護の案件を最優先することを明言した。この方針転換の具体的な証左として、SECは2025年度の執行結果報告の中で、コインベースやバイナンスなど仮想通貨関連の7件の訴訟を正式に取り下げたことを公表した。
今回の発表は、2024年10月から2025年9月までの年度執行結果の一部として行われた。同年度にSECが提起した執行件数は456件で、そのうちスタンドアローン訴訟は303件だった。仮想通貨関連の訴訟取り下げは、新体制が「執行による規制」という手法を廃止し、明確な違法行為への集中を図るという声明を具体的な行動で裏付けた形だ。これにより、業界を長く悩ませてきた、新興技術への規制の不確実性を訴訟で埋めるというアプローチに一区切りがついた。
この方針転換は、仮想通貨企業に対する規制環境を劇的に変化させる可能性がある。SECが「詐欺・操作」に焦点を絞る一方で、コインベースやバイナンスなどに対する一部の訴訟が取り下げられたことは、業界にとって一定の明確性をもたらす。しかし、これは規制の緩和を意味するものではなく、むしろ違法行為の基準がより明確化され、その取り締まりが強化されることを示唆している。今後の焦点は、どのような行為が「詐欺や市場操作」と認定されるかという線引きと、その執行の実効性に移っていく。