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米司法省、仮想通貨マーケットメイカー4社の幹部10人を相場操縦で起訴 シンガポールから身柄引き渡し
米司法省が仮想通貨市場の核心に位置するマーケットメイキング企業に対し、相場操縦を目的とした組織的な共謀があったとして、本格的な刑事捜査に踏み切った。カリフォルニア州北部地区検察局は3月31日、シンガポールを拠点とするゴットビット(Gotbit)、ボーテックス(Vortex)、アンティア(Antier)、コントラリアの4社の幹部・従業員計10人を、相場操縦および電信詐欺の共謀罪で起訴した。仮装売買(ウォッシュトレード)などの手法を用いて市場価格を人為的に操作した疑いが焦点となっており、業界内で長く囁かれてきた「暗黙の慣行」が司法の俎上に載せられる重大な局面を迎えた。
対象となった4社は、取引所に流動性を提供する「マーケットメイカー」として、多くの仮想通貨プロジェクトと契約を結び、市場における重要な役割を担ってきた。今回の起訴は、そうした中核的プレイヤーが、自らが提供する流動性を利用して価格を操作する「監視役による犯行」の構図を浮き彫りにした。報道によれば、シンガポールから身柄が引き渡された3人の関係者は、米カリフォルニア州オークランドの連邦裁判所に初出廷している。
この事件は、仮想通貨業界全体に対する規制当局の監視が、取引所からその背後で活動する流動性プロバイダーへと、より深く厳しい次元へ移行しつつあることを示す強力なシグナルだ。米司法省による大規模な起訴は、マーケットメイキングという業務そのものの在り方と、そのグレーゾーンで行われてきた慣行に対する世界的な法的スクラティニーを一気に高める可能性がある。業界関係者や投資家は、今後、他の主要マーケットメイカーに対する調査の波及や、取引所との契約見直しといった二次的影響に注視する必要がある。