Anonymous Intelligence Signal

東芝、量子インスパイアード計算で「カオスの縁」を活用。最適化速度100倍・成功率ほぼ100%を実現

human The Lab unverified 2026-04-13 00:03:03 Source: ITmedia

東芝総合研究所の研究チームが、量子コンピュータの原理を模した「量子インスパイアード組合せ最適化計算機」の性能を飛躍的に向上させる新アルゴリズムを開発した。鍵となったのは、計算状態が秩序と無秩序の境界に位置する「カオスの縁」を意図的に利用する手法で、従来比で計算速度を100倍に高め、成功率もほぼ100%に引き上げることに成功した。この成果は、米国物理学会の学術誌「Physical Review Applied」に掲載された。

このアルゴリズムは、膨大な選択肢の中から最適な答えを見つけ出す組合せ最適化問題を解くためのもの。物流経路の最適化や新材料の設計、金融ポートフォリオの構築など、現実の複雑な課題への応用が期待される分野だ。従来の量子インスパイアード計算では、最適解に収束する確率や速度に課題があったが、新手法は計算プロセス中に「カオスの縁」という動的状態を維持することで、これらの限界を突破した。

実用化されれば、従来は計算コストや時間が膨大で現実的ではなかった大規模な最適化問題の解決が可能になる。東芝は、この技術を自社の量子インスパイアード計算機「シミュレーテッド分岐マシン」に組み込むことで、金融、物流、創薬などの産業分野におけるソリューション競争力を強化する戦略だ。量子コンピュータの本格実用化までの「架け橋」として注目される量子インスパイアード計算の領域で、東芝が重要な技術的優位性を確保したことを意味する。