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SAP移行の真の壁:コンサル不足で15社連続辞退、予算があっても着手不能の現実
SAP ECC 6.0からの移行を計画する企業が直面しているのは、期限切れの恐怖ではなく、実行パートナーを確保できないというより深刻な現実だ。ITmediaの取材によれば、予算を用意しても、SAPコンサルティングベンダーから15社連続で提案を辞退されるケースが発生している。これは単なる人手不足ではなく、移行プロジェクトそのものが頓挫する可能性を示す構造的な危機である。
SAPが発表した条件付き保守延長は、多くのユーザー企業に「猶予」という誤解を与えた。しかし、実際のボトルネックは時間ではなく、複雑なSAP S/4HANAへの移行を担える高度な知識と経験を持つコンサルタントの絶対的な不足にある。ベンダー側は、限られたリソースを大規模案件や確実性の高いプロジェクトに集中させる傾向が強まり、中小規模や複雑性の高い案件への参画を次々と断っている。
この状況は、単なるIT刷新の遅延を超えた経営リスクに発展する。移行計画の構想策定と、実際にプロジェクトを実行できるシステムインテグレーターやコンサルタントの確保は、今すぐに着手すべき最優先課題となっている。予算を組むだけでは不十分で、希少化する外部リソースをいかに早期に囲い込むかが、デジタル変革の成否を分ける。企業は、従来の調達プロセスを見直し、パートナーとの戦略的関係構築に注力する必要に迫られている。