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IT機器悪用の「ストーカー最新手口」が急増、禁止命令過去最多の3037件に
ストーカー行為がIT機器を悪用した新たな手口で深刻化し、警察の対応が追いつかない現実が浮き彫りとなった。警察庁の発表によると、昨年1年間にストーカー規制法に基づいて発出された「禁止命令」は3037件と過去最多を更新。この数字は氷山の一角に過ぎず、GPSトラッカーやスマートフォンの遠隔操作機能、SNSアカウントの乗っ取りなど、高度で痕跡が残りにくいデジタル技術を悪用した行為が急増している。表面化するのはごく一部であり、実際の被害は統計をはるかに上回る可能性が高い。
これらの最新手口は、従来の物理的な尾行や待ち伏せとは異なり、被害者の日常生活に密接に侵入しながら、証拠の立証が極めて困難という特徴を持つ。具体例として、被害者の車両に密かに設置された小型GPS端末による常時位置情報の監視、ストーカーが事前に知り得たID・パスワードを用いたスマートフォンの遠隔ロックやカメラの不正起動、さらにはSNSアカウントを乗っ取り人間関係を破壊する行為などが報告されている。技術の進歩が、逆に犯罪のハードルを下げ、潜在的な加害者を増やしている構図だ。
事態は単なる嫌がらせの域を超え、殺人事件に発展した事例も存在する。このため、警察は従来の対応マニュアルの見直しを迫られており、デジタル証拠の収集・分析能力の向上や、通信事業者との連携強化が急務となっている。一方で、法整備の遅れや、プライバシー保護との兼ね合いから、有効な対策が講じられないまま被害が拡大するリスクも指摘されている。IT機器はもはや生活の基盤だが、その便利さの裏側に潜む新たな犯罪の温床として、社会全体による警戒と対策が求められる段階に来ている。