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米クラリティー法案、上院で暗礁に。ステーブルコイン利回りなど3つの対立点が成立を阻む
米国で仮想通貨市場に初の包括的ルールをもたらすと期待された「クラリティー法案」が、上院で完全に停滞している。下院を超党派の大差で可決したにもかかわらず、上院銀行委員会での条文審議(マークアップ)すら開始できておらず、中間選挙前の成立は極めて不透明な情勢だ。法案の行方は、仮想通貨業界の規制環境と市場の将来を左右する重大な岐路に立っている。
法案の難航の核心は、主に3つの対立点にある。最大の争点は「ステーブルコインへの利回り付与の是非」だ。利回り付与を事実上禁止する条項を巡り、業界と一部議員の間で激しい意見の対立が続いている。さらに、証券と商品(コモディティ)の明確な区分け、そして商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)の管轄権限の線引きについても、合意形成が進んでいない。これらの根本的な規制哲学の違いが、超党派支持を得た法案の前進を阻む高い壁となっている。
この膠着状態は、米国の仮想通貨政策が明確な方向性を見出せず、規制の不確実性が長期化するリスクを高めている。業界は法的枠組みを強く待望しており、成立の遅れは企業の計画や投資判断に影響を与えかねない。中間選挙を控えた政治日程もプレッシャーとなる中、上院内での妥協点探しが急務だが、現状では突破口が見えていない。米国がデジタル資産の世界的な競争で主導権を握れるかどうかも、この法案の行方にかかっている部分が大きい。