1. 熟年離婚後の「老後破産」危機:年金未納のツケが59歳女性を襲う
「夫の介護だけはごめんだ」――熟年離婚で自由を手に入れたはずの59歳女性を、自身の過去の選択が直撃した。離婚後の生活設計の柱は、2007年に導入された「年金分割制度」で夫の厚生年金の一部を受け取ることだった。しかし、年金事務所で突きつけられた現実は、彼女が長年抱いていた「年金なんて私が定年になる頃には破綻している」という楽観的な見通しを、一瞬で粉砕するものだった。制度を利用するための前提条件が、彼女には満たされていなかった。 その核心は、彼女自身の国民年金保険料の未納履歴にある。分割制度を利用するには、原則として自身の保険料納付が要件となるが、彼女は将来の破綻を理由に未納を続けていた。その結果、離婚によって得られるはずだった経済的...