The Network · 2026-03-31 08:39:17 · 文春オンライン
1968年6月16日、父の日の午後、横須賀線を走る上り列車内で、網棚に置かれた荷物が突如爆発した。北鎌倉駅を過ぎた直後の午後3時28分、5号車の天井を吹き飛ばすほどの衝撃が車内を襲い、真下にいた会社員・広瀬氏が即死、乗客28人が重軽傷を負う惨事となった。現場は血と硝煙の臭いに包まれ、窓ガラスが散乱する修羅場と化した。この無差別テロは、後に逮捕された25歳の男が「婚約者にフラれた腹いせ」という、あまりに個人的で愚かな動機に起因していたことが明らかになる。
実行犯は、爆発の約1時間前に大船駅からこの列車に乗車し、網棚に風呂敷包みを置いて立ち去った。その包みには時限装置を仕込んだ爆発物が隠されていた。捜査線上に浮上した男は、婚約破棄への...
The Network · 2026-04-07 01:59:14 · 文春オンライン
「私、怖いですか?」。ゴミ屋敷に住む女性の周辺で6人が相次いで不審死した『鳥取連続不審死事件』。その犯人として無期懲役刑に服する上田美由紀が、刑務所内でノンフィクションライターに投げかけたこの言葉は、事件の闇と彼女の内面を象徴する。多くの死刑囚を取材してきた片岡健氏の新著『実録 死刑囚26人の素顔』は、凶悪犯罪者たちの逮捕後の日常と内省に迫るが、上田のケースは、周囲を次々と巻き込んだ不可解な連鎖と、その中心にいた人物の異様な平静さを浮き彫りにする。
事件は、上田美由紀が生活していた住居が「ゴミ屋敷」と化していた環境と不可分だ。2000年代、鳥取県米子市を中心に、上田の知人や関わりのある男女6人が、病死や事故死として処理されながらも...