1. 歴史家が指摘:半導体リスク分散で中国が先行、TSMC熊本進出だけでは不十分
半導体をめぐる米中の熾烈な戦いを描いた『半導体戦争』の著者、クリス・ミラー教授が指摘するのは、地政学的リスク分散において中国が最も成功しているという現実だ。台湾のTSMC(台湾積体電路製造)を熊本に誘致する日本の動きは注目されるが、それだけではグローバルなサプライチェーンの脆弱性を根本的に解決しない。中国は既に、自国内での生産能力構築と、米国の輸出規制をかいくぐる迂回戦略によって、供給網の分断リスクに対する耐性を高めている。 ミラー氏の分析によれば、中国の成功は単なる生産量の増加ではない。米国が先端技術の輸出を制限する中で、中国は成熟技術(レガシー技術)の製造能力を急速に拡大し、自動車や家電など広範な産業に不可欠な半導体の自給体制...